バーのメニューに「純米大吟醸/精米歩合45%/日本酒度+3」と並んでいるのを前に、結局「おすすめで」と頼んでしまった経験のある人は少なくありません。けれどこの数字と言葉の並びは、飲む前に味の傾向を教えてくれる説明書のようなものです。日本酒ラベル読み方の要点は精米歩合・特定名称の2つに集約され、この日本酒 ラベル 読み方 精米歩合 特定名称という並びを押さえるだけで、一気に見通しがよくなります。ここではさらに日本酒度も加えた3つの軸から、初対面の一本でも味を予想できる読み方をやさしく解説します。
日本酒のラベルには情報がぎっしり詰まっていて、どこから見ればいいのか迷ってしまうかもしれません。けれど実際のところ、読めないのではなく「見る順番を知らないだけ」ということがほとんどです。まずは表と裏、それぞれに何が書かれているのかという地図から整理していきます。
表ラベルに大きく書かれているのは、銘柄名と「純米吟醸」「本醸造」といった特定名称です。これは日本酒における大分類にあたり、そのお酒がどの系統に属しているかを一言で示しています。一方の裏ラベルには、精米歩合・日本酒度・酸度・アルコール度数・原料米といった詳細なスペックが並びます。まず表で系統をつかみ、裏で微調整するという二段構えで読むと、情報量に圧倒されずに済むでしょう。
ラベルの表示には、必ず書かなければならないものと、蔵元が自由に選んで書けるものがあります。アルコール度数・原材料名・製造年月・内容量などは必須の表示で、どの銘柄にも共通して載っています。これに対して日本酒度・酸度・使用酵母・使用酵母の名前などは任意の表示で、書くかどうかは蔵元の判断次第です。裏ラベルの情報が充実しているお酒ほど、味わいを言葉で伝えたいという蔵元の姿勢が表れていると考えてよいでしょう。
とはいえ、初心者がすべての項目を追いかける必要はありません。押さえるべきは「特定名称」「精米歩合」「日本酒度・酸度」の3つだけで、この順に見ていけば味の輪郭はかなり絞り込めます。特定名称で系統を、精米歩合で香りの華やかさを、日本酒度と酸度で甘辛と濃淡を推し量るという役割分担です。以降の章では、この3つの軸をひとつずつほどいていきます。
日本酒の分類は複雑に見えますが、実は2つの条件の掛け合わせで決まっています。8種類を丸暗記する必要はなく、しくみさえ分かれば自力で導き出せるようになります。あわせて、精米歩合をめぐる代表的な誤解もここで解いておきます。
特定名称を決めているのは、原料と精米歩合という2つの条件です。ひとつめは醸造アルコールを加えるかどうかで、米と米麹だけで造られていれば純米系、醸造アルコールが加えられていれば本醸造系に分かれます。ふたつめが精米歩合の数値で、一定の基準を下回ると「吟醸」、さらに磨き込むと「大吟醸」という呼び名が付きます。つまり縦軸に原料、横軸に精米歩合を置いた表を思い浮かべると、日本酒の特定名称の種類は自然に導けるとイメージしやすいでしょう。
具体的な基準を一覧にすると、次のようになります。
特定名称
精米歩合の基準
醸造アルコール
純米大吟醸酒
50%以下
なし
純米吟醸酒
60%以下
特別純米酒
60%以下または特別な製造方法
純米酒
規定なし
大吟醸酒
あり
吟醸酒
特別本醸造酒
本醸造酒
70%以下
ここで気になるのが「特別」という言葉かもしれません。これは精米歩合が60%以下であるか、あるいは特定の酒米を全量使うなど、蔵元が特別と認める製法で造られた場合に名乗れるものです。何をもって特別とするかは蔵元の説明に委ねられているため、裏ラベルの記載を読むと造り手の意図が見えてきます。
精米歩合とは何かを一言でいえば、玄米100に対して残した白米の重量比です。つまり精米歩合50%は「50%削った」ではなく「半分を削り落として半分だけ残した」という意味になります。米の外側にはたんぱく質や脂質が多く含まれ、これらが発酵の過程で雑味の元になりやすいため、削り込むほど澄んだ味わいと華やかな香りが生まれやすくなります。数字が小さいほど手間もコストもかかるので、価格が上がる理由もここにあります。
一覧の条件を満たさないお酒は普通酒に分類され、ラベルに特定名称は書かれません。ただしこれは品質が低いという意味ではなく、あくまで区分上の話です。燗をつけたときに本領を発揮する食中酒や、あえて磨かずに米の力強さを引き出した低精米の意欲作も数多くあります。数字の大小は優劣ではなく方向性の違いだと捉える視点が欠かせません。
分類が分かったら、次はそれが口の中でどう感じられるのかを翻訳していきます。純米と吟醸と大吟醸の違いは、香りの強さと味の重さという2つの物差しで整理できます。読み終えるころには、自分がどのタイプを好みそうかの見当がついているはずです。
醸造アルコールと聞くと量を増やすための添加物のように思われがちですが、実際には香りを引き出し、後味を軽く仕上げるための技術です。米と米麹だけで造る純米系は、旨味に厚みがあり、口の中でふくらむような余韻が残ります。対して本醸造系はすっと引いていくキレの良さがあり、料理の味を邪魔せず杯が進みやすい設計になっています。濃い味の料理には純米系、繊細な和食や揚げ物には本醸造系というように、どちらにも果たす役割があります。
吟醸造りとは、よく磨いた米を低温でゆっくり発酵させる手法のことです。酵母が低温でじっくり働くと、りんごやバナナ、洋梨を思わせる果実のような香り成分が生まれます。これがいわゆる吟醸香で、グラスに鼻を近づけた瞬間に立ちのぼる華やかさの正体です。精米歩合をさらに下げた大吟醸では、この傾向がいっそう際立ち、味わいそのものも軽やかで透明感のあるものになります。
日本酒は香りの高さと味の濃さで、薫酒・爽酒・醇酒・熟酒の4タイプに整理されることがあります。華やかで軽快な薫酒には大吟醸や純米大吟醸が、すっきりと軽い爽酒には本醸造や生酒が寄りやすい傾向です。米の旨味がふくよかに広がる醇酒には純米酒や特別純米酒が、熟成による複雑な香りを持つ熟酒には古酒が位置します。「華やか×軽い」「穏やか×濃い」という座標で好みを言葉にできるようになると、店で伝えるときにも役立ちます。
裏ラベルの数値は、味の細かな調整を教えてくれる部分です。ここで大切なのは、ひとつの数字だけを見て判断しないことです。日本酒度と酸度を掛け合わせて読むと、印象の予想精度がぐんと上がります。
日本酒度は、水を基準にしたお酒の比重を表す数値です。糖分が多いと比重が重くなってマイナス側に、糖分が少ないと軽くなってプラス側に振れます。おおまかな目安として、+6以上は辛口、+2〜+5がやや辛口、−1〜+1が中口、−2以下は甘口寄りと考えると分かりやすいでしょう。ただしこれはあくまで数値上の指標であり、実際に舌が感じる甘辛とは必ずしも一致しません。
そのズレを生んでいるのが酸度です。酸度が高いと味に輪郭が生まれてキレを感じやすく、同じ日本酒度でも辛口寄りに感じられます。逆に酸度が低いとまろやかで、甘みが前に出てくる印象になります。組み合わせで整理すると、日本酒度プラス×酸度高めは引き締まった辛口、プラス×酸度低めは軽くドライ、マイナス×酸度高めは甘酸っぱく濃厚、マイナス×酸度低めはとろりと甘口という4パターンです。一般的な酸度は1.3〜1.5前後なので、この数字を境に高いか低いかを判断します。
アルコール度数も飲みごたえを左右する要素です。一般的な日本酒は15〜16度ですが、加水せずに仕上げた原酒は17〜19度に達し、濃く力強い飲み口になります。近ごろ増えている低アルコール酒は12度前後で、軽やかで食前の一杯にも向いています。ゆっくり長く飲みたいのか、一杯をじっくり味わいたいのかというシーンに合わせて選ぶことが大切です。
ここまでの知識を、実際にメニューを前にしたときの手順としてまとめます。日本酒のラベルの選び方は、見る順番を決めてしまえば迷いが減ります。4つのステップと、シーン別の目印まで一気に見ていきましょう。
ステップ①は特定名称の確認です。「純米」と付いていれば米の旨味が中心、付いていなければキレのある軽快な設計だと当たりをつけます。ステップ②では精米歩合を見て、50%前後なら香り重視の華やか系、60〜70%台なら味の厚みを楽しむ食中酒系と判断します。この2手順だけで、候補はおおよそ半分に絞り込めます。
ステップ③では日本酒度と酸度から甘辛と濃淡を微調整します。同じ純米吟醸でも、+5で酸度1.6ならシャープ、−1で酸度1.2ならやわらかい印象になります。ステップ④は製法表示のチェックで、「生酒」ならフレッシュで軽快、「無濾過」なら густ厚で情報量が多く、「原酒」なら濃厚、「火入れ」なら落ち着いた安定感という質感が読み取れます。ここまで来れば、栓を開ける前にかなり具体的な味の像が結べているはずです。
実際のスペックで練習してみます。「純米大吟醸/精米歩合40%/日本酒度+2」なら、よく磨かれた華やかな香りに、米の旨味がほのかに残る中口。冷やして単体で味わいたい一本です。「特別純米/精米歩合60%/日本酒度+5/酸度1.6」は、旨味がありながら酸でキレを立たせた辛口寄りで、味の濃い料理にも負けません。「本醸造/精米歩合70%/日本酒度+1/酸度1.2」なら、香り控えめでやわらかく、燗にすると輪郭がふくらむタイプだと予想できます。
日本酒デビューや食前の一杯には、香りが華やかで飲み口の軽い吟醸系が入りやすい選択です。食事と一緒に楽しむなら純米系の旨味タイプ、燗で温めたいなら精米歩合60〜70%台のふくよかなものが向いています。贈り物には季節限定の生酒など、その時期にしか出会えないものを選ぶと会話も弾むでしょう。メニューに情報が少ない店では、銘柄名で悩むより「軽やかな香りのものはありますか」「食事に合う旨味のあるものを」と好みの方向で伝えるほうが、的確な一杯にたどり着けます。
ラベルの知識は、読むだけでなく実際に飲み比べて初めて自分のものになります。とはいえ日本酒の品ぞろえが充実した店をゼロから探すのは骨が折れるもので、条件から絞り込めるサービスを使うのが近道です。
バーファインドは新宿区専門のバー検索・求人サイトです。新宿駅東口・新宿三丁目、歌舞伎町・ゴールデン街、荒木町・四ツ谷・曙橋、神楽坂・飯田橋・市ヶ谷など新宿区内10エリアから探せるほか、営業時間はOPEN〜24:00、24:00〜LAST、現在営業中で絞り込めます。予算は1人当たり1,000円単位で指定でき、BARジャンル28種、シーン20項目、サービス・こだわり、席・設備、ドリンクの各条件を組み合わせた検索にも対応しています。日本酒を楽しみたい人ほど、ドリンク条件の「日本酒・焼酎が豊富」やお酒の種類「日本酒」から探すと目的の店に近づけます。「静かに飲みたい」「バー初心者でも安心」といったシーン条件を重ねれば、じっくり味わえる一軒が見つかるでしょう。バーで働くことに興味を持った人向けに求人情報も掲載しており、英語・韓国語・中国語の多言語にも対応しています。
日本酒ラベル読み方の基本は精米歩合・特定名称と日本酒度という3つの軸に絞れば決して難しいものではありません。特定名称で系統をつかみ、精米歩合で香りの華やかさを推し量り、日本酒度と酸度で甘辛と濃淡を微調整する。この順番で見ていけば、初めて出会う銘柄でも味の方向性が予想できるようになります。そして数字は優劣ではなく方向性を示すものだと理解しておくことが大切です。ラベルが読めるようになると、「なんとなく美味しかった」という感想が「精米歩合の低い華やか系が好み」という言葉に変わります。あとは実際に飲み比べて、その言葉を確かめていくだけです。新宿で日本酒の置かれたバーを探すなら、条件から絞り込めるバーファインドの店舗検索から始めてみてはいかがでしょうか。
バーのメニューに「純米大吟醸/精米歩合45%/日本酒度+3」と並んでいるのを前に、結局「おすすめで」と頼んでしまった経験のある人は少なくありません。けれどこの数字と言葉の並びは、飲む前に味の傾向を教えてくれる説明書のようなものです。日本酒ラベル読み方の要点は精米歩合・特定名称の2つに集約され、この日本酒 ラベル 読み方 精米歩合 特定名称という並びを押さえるだけで、一気に見通しがよくなります。ここではさらに日本酒度も加えた3つの軸から、初対面の一本でも味を予想できる読み方をやさしく解説します。
日本酒のラベルは味の説明書
日本酒のラベルには情報がぎっしり詰まっていて、どこから見ればいいのか迷ってしまうかもしれません。けれど実際のところ、読めないのではなく「見る順番を知らないだけ」ということがほとんどです。まずは表と裏、それぞれに何が書かれているのかという地図から整理していきます。
表ラベルと裏ラベルに書かれている情報の違い
表ラベルに大きく書かれているのは、銘柄名と「純米吟醸」「本醸造」といった特定名称です。これは日本酒における大分類にあたり、そのお酒がどの系統に属しているかを一言で示しています。一方の裏ラベルには、精米歩合・日本酒度・酸度・アルコール度数・原料米といった詳細なスペックが並びます。まず表で系統をつかみ、裏で微調整するという二段構えで読むと、情報量に圧倒されずに済むでしょう。
法律で決まっている表示と蔵元が任意で書く表示
ラベルの表示には、必ず書かなければならないものと、蔵元が自由に選んで書けるものがあります。アルコール度数・原材料名・製造年月・内容量などは必須の表示で、どの銘柄にも共通して載っています。これに対して日本酒度・酸度・使用酵母・使用酵母の名前などは任意の表示で、書くかどうかは蔵元の判断次第です。裏ラベルの情報が充実しているお酒ほど、味わいを言葉で伝えたいという蔵元の姿勢が表れていると考えてよいでしょう。
味を予想するために見るべき3つの軸
とはいえ、初心者がすべての項目を追いかける必要はありません。押さえるべきは「特定名称」「精米歩合」「日本酒度・酸度」の3つだけで、この順に見ていけば味の輪郭はかなり絞り込めます。特定名称で系統を、精米歩合で香りの華やかさを、日本酒度と酸度で甘辛と濃淡を推し量るという役割分担です。以降の章では、この3つの軸をひとつずつほどいていきます。
特定名称酒の8種類と精米歩合のしくみ
日本酒の分類は複雑に見えますが、実は2つの条件の掛け合わせで決まっています。8種類を丸暗記する必要はなく、しくみさえ分かれば自力で導き出せるようになります。あわせて、精米歩合をめぐる代表的な誤解もここで解いておきます。
特定名称を決める2つの条件
特定名称を決めているのは、原料と精米歩合という2つの条件です。ひとつめは醸造アルコールを加えるかどうかで、米と米麹だけで造られていれば純米系、醸造アルコールが加えられていれば本醸造系に分かれます。ふたつめが精米歩合の数値で、一定の基準を下回ると「吟醸」、さらに磨き込むと「大吟醸」という呼び名が付きます。つまり縦軸に原料、横軸に精米歩合を置いた表を思い浮かべると、日本酒の特定名称の種類は自然に導けるとイメージしやすいでしょう。
純米大吟醸から本醸造までの分類一覧
具体的な基準を一覧にすると、次のようになります。
特定名称
精米歩合の基準
醸造アルコール
純米大吟醸酒
50%以下
なし
純米吟醸酒
60%以下
なし
特別純米酒
60%以下または特別な製造方法
なし
純米酒
規定なし
なし
大吟醸酒
50%以下
あり
吟醸酒
60%以下
あり
特別本醸造酒
60%以下または特別な製造方法
あり
本醸造酒
70%以下
あり
ここで気になるのが「特別」という言葉かもしれません。これは精米歩合が60%以下であるか、あるいは特定の酒米を全量使うなど、蔵元が特別と認める製法で造られた場合に名乗れるものです。何をもって特別とするかは蔵元の説明に委ねられているため、裏ラベルの記載を読むと造り手の意図が見えてきます。
精米歩合50%が意味すること
精米歩合とは何かを一言でいえば、玄米100に対して残した白米の重量比です。つまり精米歩合50%は「50%削った」ではなく「半分を削り落として半分だけ残した」という意味になります。米の外側にはたんぱく質や脂質が多く含まれ、これらが発酵の過程で雑味の元になりやすいため、削り込むほど澄んだ味わいと華やかな香りが生まれやすくなります。数字が小さいほど手間もコストもかかるので、価格が上がる理由もここにあります。
特定名称の記載がないお酒の見方
一覧の条件を満たさないお酒は普通酒に分類され、ラベルに特定名称は書かれません。ただしこれは品質が低いという意味ではなく、あくまで区分上の話です。燗をつけたときに本領を発揮する食中酒や、あえて磨かずに米の力強さを引き出した低精米の意欲作も数多くあります。数字の大小は優劣ではなく方向性の違いだと捉える視点が欠かせません。
純米・吟醸・大吟醸・本醸造の味わいの違い
分類が分かったら、次はそれが口の中でどう感じられるのかを翻訳していきます。純米と吟醸と大吟醸の違いは、香りの強さと味の重さという2つの物差しで整理できます。読み終えるころには、自分がどのタイプを好みそうかの見当がついているはずです。
醸造アルコールが味わいに与える働き
醸造アルコールと聞くと量を増やすための添加物のように思われがちですが、実際には香りを引き出し、後味を軽く仕上げるための技術です。米と米麹だけで造る純米系は、旨味に厚みがあり、口の中でふくらむような余韻が残ります。対して本醸造系はすっと引いていくキレの良さがあり、料理の味を邪魔せず杯が進みやすい設計になっています。濃い味の料理には純米系、繊細な和食や揚げ物には本醸造系というように、どちらにも果たす役割があります。
吟醸造りが生む華やかな香り
吟醸造りとは、よく磨いた米を低温でゆっくり発酵させる手法のことです。酵母が低温でじっくり働くと、りんごやバナナ、洋梨を思わせる果実のような香り成分が生まれます。これがいわゆる吟醸香で、グラスに鼻を近づけた瞬間に立ちのぼる華やかさの正体です。精米歩合をさらに下げた大吟醸では、この傾向がいっそう際立ち、味わいそのものも軽やかで透明感のあるものになります。
香りとコクで見るタイプ別の味わい分布
日本酒は香りの高さと味の濃さで、薫酒・爽酒・醇酒・熟酒の4タイプに整理されることがあります。華やかで軽快な薫酒には大吟醸や純米大吟醸が、すっきりと軽い爽酒には本醸造や生酒が寄りやすい傾向です。米の旨味がふくよかに広がる醇酒には純米酒や特別純米酒が、熟成による複雑な香りを持つ熟酒には古酒が位置します。「華やか×軽い」「穏やか×濃い」という座標で好みを言葉にできるようになると、店で伝えるときにも役立ちます。
日本酒度と酸度でわかる甘辛と濃淡
裏ラベルの数値は、味の細かな調整を教えてくれる部分です。ここで大切なのは、ひとつの数字だけを見て判断しないことです。日本酒度と酸度を掛け合わせて読むと、印象の予想精度がぐんと上がります。
日本酒度のプラスとマイナスが示すもの
日本酒度は、水を基準にしたお酒の比重を表す数値です。糖分が多いと比重が重くなってマイナス側に、糖分が少ないと軽くなってプラス側に振れます。おおまかな目安として、+6以上は辛口、+2〜+5がやや辛口、−1〜+1が中口、−2以下は甘口寄りと考えると分かりやすいでしょう。ただしこれはあくまで数値上の指標であり、実際に舌が感じる甘辛とは必ずしも一致しません。
同じ日本酒度でも印象が変わる酸度の役割
そのズレを生んでいるのが酸度です。酸度が高いと味に輪郭が生まれてキレを感じやすく、同じ日本酒度でも辛口寄りに感じられます。逆に酸度が低いとまろやかで、甘みが前に出てくる印象になります。組み合わせで整理すると、日本酒度プラス×酸度高めは引き締まった辛口、プラス×酸度低めは軽くドライ、マイナス×酸度高めは甘酸っぱく濃厚、マイナス×酸度低めはとろりと甘口という4パターンです。一般的な酸度は1.3〜1.5前後なので、この数字を境に高いか低いかを判断します。
アルコール度数と原酒表示で読む飲みごたえ
アルコール度数も飲みごたえを左右する要素です。一般的な日本酒は15〜16度ですが、加水せずに仕上げた原酒は17〜19度に達し、濃く力強い飲み口になります。近ごろ増えている低アルコール酒は12度前後で、軽やかで食前の一杯にも向いています。ゆっくり長く飲みたいのか、一杯をじっくり味わいたいのかというシーンに合わせて選ぶことが大切です。
ラベルから味を予想する4ステップと選び方
ここまでの知識を、実際にメニューを前にしたときの手順としてまとめます。日本酒のラベルの選び方は、見る順番を決めてしまえば迷いが減ります。4つのステップと、シーン別の目印まで一気に見ていきましょう。
特定名称と精米歩合で方向性をつかむ手順
ステップ①は特定名称の確認です。「純米」と付いていれば米の旨味が中心、付いていなければキレのある軽快な設計だと当たりをつけます。ステップ②では精米歩合を見て、50%前後なら香り重視の華やか系、60〜70%台なら味の厚みを楽しむ食中酒系と判断します。この2手順だけで、候補はおおよそ半分に絞り込めます。
数値と製法表示で絞り込む手順
ステップ③では日本酒度と酸度から甘辛と濃淡を微調整します。同じ純米吟醸でも、+5で酸度1.6ならシャープ、−1で酸度1.2ならやわらかい印象になります。ステップ④は製法表示のチェックで、「生酒」ならフレッシュで軽快、「無濾過」なら густ厚で情報量が多く、「原酒」なら濃厚、「火入れ」なら落ち着いた安定感という質感が読み取れます。ここまで来れば、栓を開ける前にかなり具体的な味の像が結べているはずです。
具体的なスペックで練習する味わい予想
実際のスペックで練習してみます。「純米大吟醸/精米歩合40%/日本酒度+2」なら、よく磨かれた華やかな香りに、米の旨味がほのかに残る中口。冷やして単体で味わいたい一本です。「特別純米/精米歩合60%/日本酒度+5/酸度1.6」は、旨味がありながら酸でキレを立たせた辛口寄りで、味の濃い料理にも負けません。「本醸造/精米歩合70%/日本酒度+1/酸度1.2」なら、香り控えめでやわらかく、燗にすると輪郭がふくらむタイプだと予想できます。
シーン別に選ぶときの目印
日本酒デビューや食前の一杯には、香りが華やかで飲み口の軽い吟醸系が入りやすい選択です。食事と一緒に楽しむなら純米系の旨味タイプ、燗で温めたいなら精米歩合60〜70%台のふくよかなものが向いています。贈り物には季節限定の生酒など、その時期にしか出会えないものを選ぶと会話も弾むでしょう。メニューに情報が少ない店では、銘柄名で悩むより「軽やかな香りのものはありますか」「食事に合う旨味のあるものを」と好みの方向で伝えるほうが、的確な一杯にたどり着けます。
新宿で日本酒の楽しめるバー探しならバーファインド
ラベルの知識は、読むだけでなく実際に飲み比べて初めて自分のものになります。とはいえ日本酒の品ぞろえが充実した店をゼロから探すのは骨が折れるもので、条件から絞り込めるサービスを使うのが近道です。
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まとめ
日本酒ラベル読み方の基本は精米歩合・特定名称と日本酒度という3つの軸に絞れば決して難しいものではありません。特定名称で系統をつかみ、精米歩合で香りの華やかさを推し量り、日本酒度と酸度で甘辛と濃淡を微調整する。この順番で見ていけば、初めて出会う銘柄でも味の方向性が予想できるようになります。そして数字は優劣ではなく方向性を示すものだと理解しておくことが大切です。ラベルが読めるようになると、「なんとなく美味しかった」という感想が「精米歩合の低い華やか系が好み」という言葉に変わります。あとは実際に飲み比べて、その言葉を確かめていくだけです。新宿で日本酒の置かれたバーを探すなら、条件から絞り込めるバーファインドの店舗検索から始めてみてはいかがでしょうか。